「「また明徳の速攻だ!!!」」

鈴木がリバウンドを取ると、ゴール前へと準備しに走り出す未茉に、

「打たせるか!!!」

石井と静香が一気に未茉を三人がかりで囲うも、前原はゴール前の未茉にパスするように見せかけてバックパスでフリーの水上にパスをすると、

またリングへと3ポイントをい抜くーー。


「さすがよく見てた!!前原!!!」
「そして確実に決めてくれた水上!!!」
明徳男バス部員達は、前原の視野の広さとアシストにガッツポーズをする。

「白石ならあのデカイ二人に囲まれてもシュート決める個人技があると思うと、マークは絶対に白石にいくしな。その裏をうまくかいた水上さんへのパスだ。」
痺れた三上がそう分析すると、
「頑張れ頑張れ…!!俺達の分まで全国へ行ってくれ!!」
隣では結城が手を合わせながら、キタロー並みの念を飛ばして祈る。



未茉には、ひとつ気づいたことがあった。


「さっきから、翔真にパスされてるみたいだよ。前原さん。」
ジャンプシュートを決めた未茉が笑いながら‘ナイス’とアシストしてくれた前原さんに親指立てると、

「あんたからのパスは下手すぎるから私があんたを使ってやってんのよ。」
「あたしのこと嫌いですもんね?」
「そう。だからあんたの言う通りに動くなんてまっぴら。」
目も合わせようとはしないのに前原と呼吸の合う未茉達を見ながら、

「練習でもこんな絶妙なプレーないのに・・・」
いつの間にあの二人は…。と、
「でも私達より前原だけは信じてた証拠ね。白石を。」

三年の鈴木と新垣が一番最後まで信じなきゃならなかったのに自分達のその気持ちを捨てかけていたことを二人のプレーで思い出したのであった。