「これはデカイ!!!まだ点差は14点以上あるけど…この時間帯ならまだわかんねぇよ!!!」
まだ分からないと見てるものを楽しませてくれるような試合展開に会場中の拍手に和希も手を叩いた。
「おっしゃ!姉ちゃん息を吹き返したな!!!」
合流してきた王子の試合が終わった二階堂と莉穂が和希達の元へやってくると、
「未茉、一緒に全国行こうぜ…!!」
インターハイ出場を決めた二階堂も祈るように胸を膨らませた。
「先輩は、死ぬ気で石井さんと静香をマーク頼む。」
さっきまで意気消沈涙だった三年達に未茉はそう指示した。
「わかった。」
「あたしは田島さんを意地でも止めてやる。」
その力強い決意は、この勝敗を決めるであろう。とコートの三人は一年で背負ったその重みに強く頷いた。
「…」
そして少し離れたところに立つ前原にもその決意は伝わった。
(いや……今更この点差をひっくり返すなど……不可能に近いわ。)
だがこの時、大成の工藤監督はまだたかを括っていた。



