「……まだ諦めてはいないのか？」
思わず大成のベンチからも、みんなの心の声からも漏れて聞こえてきそうな疑問符だった。
すぐさまリスタートを切ろうと、ボールを裁きだす田島は目の前の未茉を嘲笑った。
「…！20点差を？はは。ここからひっくり返すとでも？この我が大成相手に？」
舐められたものだ。と笑顔がやがて怒りに満ちた表情に変わる田島にパスが回ってきた。
「どうせスピードじゃ追い付けやしなーー」
そう侮っていた田島は速攻でリングに向かうも後ろからはぴったりと未茉がくっついてきていることに驚く。
「バスケはディフェンスからだ。ディフェンスサボった方が負けんだよ。」
この時間にされたら嫌がるだろうというしつこいすっぽんディフェンスで、追い詰められた田島はタフショットを打たされ、リングに嫌われると、
「サンキュー！」
すぐに未茉はリバウンドを取り走り出し、ベンチは勢いに乗った連続ポイントを期待する。
「「よっしゃ白石いけぇぇええ！！！」」
「ここは通さないよ！！」
だが目の前には石井が大きく長い手で道を塞ぐも、未茉は突破に見せかけてジャンプしながら前原にパスをし、
「「何！？」」
油断させたディフェンスを避けてゴール前に走り込み、未茉は手を上げて誘き寄せると、
「フェイクだ！！！」
と田島は大声で戻りながら叫んだ時にはもう、前原からの絶妙な水上へのパスが通り
「また3ポイント！！？」
さっきまでの動揺が嘘のように落ち着いて真っ直ぐとリングへと水上がネットへと投げ込む。
「「き……決めたぁぁあ！！」」
「連続3ポイントだぁあ！！」
ここへ来ての巻き返しに今度は会場内からは動揺が巻き起こった。
