そしてここから、明徳の攻撃リズムは音を立てて崩れてく。



田島をこれ以上乗らせては怖いと思った鈴木は、スイッチをして田島の持つボールを狙いに行くと、

それを読んだ田島はニヤッとし、わざとボールを狙わせ、
「!」
一瞬にして手元を狙わせてわざとオーバーに体勢を崩すと、

ピー!!
「ファウル青4番!!」

やってしまった…と頭を抱える鈴木を見て、田島はしてやったりの笑みを浮かべた。

「沙穂どんまい!落ち着いていこう。」
新垣や水上はそう声をかけるも、パスミスが相次ぎ、
「「スティール!!あんな簡単に!!?」」
新垣のボールを狙っていた田島はあっさり奪うと速攻ーー簡単にシュートを決められた。

そして宣言通り1分足らずですぐに形勢逆転。

「あっという間の逆転……!!」
「明徳のスコアが完全に止まった……」

「自分達のペースにすることで相手のミスを誘ってく田島涼子。さすが大成のエース」
長年高校バスケートボール雑誌を取材してきた記者が思わず身震いをしながら呟いた。

「多分今年は全国最強プレーヤーとしてインターハイで称されるであろう選手か……」