そして翔真が未茉を見つめると、その視線に気づき側へと歩いてきた。

「……ごめん。約束守れなかった。」

「謝るなよ。」
未茉は翔真の背中をバシッと強く叩いた。
「いて。」
「あはは」
笑う瞳には急に涙が溢れてきてーー見られないようにそのまま翔真の背中に顔を埋めた。

未茉がユニフォームを握りながら震えてるのが翔真には伝わってきたからその手を覆うように優しく握った。


『続きまして女子の決勝戦、大成高校対明徳学園高校の試合を行います。選手関係者はAコートまでお集まり下さい』
会場のアナウンスが流れ、コートは入れ違いに女子達が集まってくる。


「仇はとってやるから。」

涙を拭き強く言いはなった未茉は強気な笑みでガッツポーズでみんなの待つベンチに向かった。


「大成女子……」
ベンチに明徳女子が集まってるとキャプテンがコート入り口を見て一気に緊張が走った。

(男子達の分までぜってぇ勝つ!!)
強い気持ちと共に立ち向かった。


男子顔負けの平均身長177センチ以上の大成女子が集う集団は決勝戦にも関わらず落ち着きと異彩を放ちながらの圧巻の登場に会場の空気は一変した。

「「うぉおおお大成女子だぁぁあ!!」」「「大成!!大成!!!」」
「「今年も男女で全国だぁああーー!!!」」

そんな声援すらプレッシャーを微塵にも感じないのか、まるでBGMのような感覚で心地良さそうにベンチに腰掛け始めり選手達とは対照的に、

明徳女子はまず、緊張と同じくらいにこの会場の空気に飲み込まれないかが不安な面持ちだった。