「前原、何見てんの?」
コートの隅で二年の女子だけは輪には加わらず孤立してて、その様子を前原が眺めてると、矢野が睨んだ。

「まさかあんな青春ぶってんの羨ましいとか思ってないよね?」
「お…思ってるわけないじゃん!バカらしい!!」
矢野の疑惑の目を振り払うように前原は背を向けた。


「きゃぁああっ抱き合っちゃってるわぁぁああの二人!!」
未茉ママは望遠レンズで確認して写真を撮りまくり、大はしゃぎをしてると、
「凄いいいチームだな。明徳。」

翔真を中心に強さを増す一体感をどこか羨ましそうに嬉しく思いながら弟の和希は言った。

「「明徳!頑張れよー!!!」」
「「明徳!!」」「「明徳!!」」
そんな様子を見てか、明徳に会場から大きな声援が送られてくる。

「大丈夫だ。俺らは負けない。」
だが、隣のベンチからはマイクは自信満々に立ち上がり大成も円陣を組んだ。



両者冷めやらぬ声援の中、試合は始まり両者互いに2点差を争う展開が続いていったが、

残り一分でマイクがだめ押しのダンクを決め、大成のシックスマンの活躍が光り、四点差に開いてしまい、そのままその差は縮まらずーーー

大成の勝ち方を見せつけられたゲームとなり、

ビーーッ
『試合終了!!勝者大成高校!!!』

奇しくも明徳高校は敗れてしまい、男子の全国への切符はなくなってしまった。