「エース翔真!」
未茉はリストバンドを着けた拳を翔真の前に差し出した。
「力貸すよ。だから一緒に全国行こう。」
「……ありがと。」
「俺も貸してやる…」
それを見ていた隣の結城も手を震わせながらバンドを着けた拳を差し出すと、
「結城のはいらない。」
「おい、なんでだよっ!!」
「あはははっ。」
その時、翔真と結城が笑ったのを見てみんな安心したかのように笑い、
「俺も…ちょぴっと貸してやる」
キタローもリストバンドした手を差し出して拳を着ける。
「じゃ俺も貸すかな。」
三上もリストバンドした手の拳を差し出してグッと着ける。
「俺らも貸してやる!貰っとけよ!!」
涙ながらに二年の橘もコートの二年も、
「俺も俺も!!!明後日の合コンで使う予定だったパワーやるから!!」
青春にすっかり感動した新米まで涙ながらに両手の拳をかざし、
「俺も」
「俺のもやる」
「頑張れよみんな!」
「お前らならできるっ」
部員達が次々と拳を当てていくと、野村監督がみんなの拳をまとめると、
「やったな!!翔真!」
もう翔真の拳すら見えなくなった沢山の拳が集まってニカッと未茉は満面の笑みで笑う。
「未茉ちゃんのだけでよかったんだけど……」
「「なんだとこらっ湊ぉお!」」
「あはははっ。」
みんなにつめられて翔真は笑って顔をあげ、
「嘘です。ありがたく頂きます。」
ペコリと頭を下げて、自分の拳をみんなの拳にぶっつけると
「湊、ついでに私達のもあげとくよ。」
「キャプテン達……!!」
鈴木に新垣に水上も手を差し出すと一年の女子部員たちも
「「私達もっ!」」と差し出すとちょうど試合開始30秒前のブザーが鳴り始め
「「よしっ、明徳男女でここまで来たんだ!!最後は絶対に全国行ってやろーぜ!!!」」
翔真が立ち上がるとみんなは一丸となってベンチは男女で大きな声で叫んだ。
「「よし!!明徳ーっ!!行くぞぉっっ!!!ファイオッファイオッ!!!オーッ!!!」」
悔いを残さず最後までみんなで戦い合おうって笑って手を叩きあうと、翔真が未茉の顔を見て微笑み、
「ありがと。ほんと元気貰った。」
と未茉の肩を右腕で軽く抱き寄せながら歩きだすと、
「うん。あたしも逆に元気貰ったぜ!」
未茉もふらふら歩く翔真の腰に支えるように手を当てて二人は顔を見合わせて笑った。



