試合が再開すると、その姿を見ていた橘はすぐに3ポイントを放った。
「「!!」」
リングに当たるもクルクル…ッと回転し、危なげにネットにこぼれた。
「よっしゃぁあ!!3ポイント!!!」
明徳ベンチはガッツポーズでジャンプして喜び称えた。
「「橘さんっ!!!」」
救われたように翔真と結城が目を輝かせた。
「お前らだけに背負わせるわけにはいかない。俺ら二三年も死ぬ気で行くぜ。」
辛さも悔しさも同じだろうけど、橘も真剣な眼差しでそんな風に声をかけてくれたことが二人にとって心強さに変わり、足が少しだけ軽くなった。
「キタローのおかげだ。俺は左からの3ポイントの成功率が60%らしい!」
AIで分析されたキタローの集計を聞き、アドバイスを受け試したようでそう橘は言った。
「おかげで助かったぜ!」
ベンチのキタローにグーサインを送ると、その後も三本打って二本決め、大きな得点となった。
「どうしても中へのBIG3への攻撃が起点となると大成にもマークされてたから、これで注意がそれて外からの得点にもマークが分散される。」
助かった…と野村はホッとするも、もちろん橘へのマークも激しくなり、3も打たせてもらえる程甘くないのが、大成だ。
「行くぜ!!!翔真!!」
ーーパシッ!!空中をさ迷ったボールを高い位置で結城が必死に競り勝ち、翔真へと大きくバウンドパスをだした。
「「行けぇ!!翔真ぁあ!!」」
この時間に走れる体力などもうないはずなのに、
「ま……守れぇっ!!守るんだマイクッ!!」
ーーーダンッ!!!
気力でマイクを振り切り、リングを大きく揺らす程のダンクを決めた!!
「「よっよしゃぁぁあああ!!!」」
「翔ーダンク!!!」
「まだいける!!まだいけるぜ!!諦めるな!!」
会場の一気にボルテージはあがり、明徳の底力に人々の心は動かされた。
そして翔真はありったけの力を振り絞り次々にシュートを決めてく。
「マジかよあの一年…」
「一年三人があの大成に食らいついてる…!あの巨人を二人がかりで押さえ込んでるぜ」
「マイクさんは俺らで必ず押さえる。お前は死ぬ気で点入れろ。」
「ああ…!!」
汗を拭う翔真の背中は頼もしいものがあった。
コートに立つ五人の目の色が変わってきた。
勝利へというわずかな可能性が広がってきて、
62対64ーーわずか二点差にまで大成を追い込み、4Q残り二分…、タイムアウトを使った。



