「翔真っ!!三上が空く!!!」

中々思うように動けてない三人を見て裏を読んで動いていた三上に気付き未茉はとっさに叫ぶと、翔真はマイクから視線をずらして高くパスを出した。
「うまい……!!」
合わせた三上が空中で受け取り、走り出す翔真に合わせて点を決めた。

「チッ」とマイクに本気で睨まれると
「べぇっ」と未茉は鼻を上げて下を出して変な顔で返すと、

「ありがと」と翔真は走りながら未茉に向けて親指を立てグーサインを送った。


ーーードキッ……

「ん?・・・」
いつもよりもずっと真剣な眼差しをした翔真と目と合った時、ドキッとした胸を未茉は押さえた。
「なんか一瞬胸を叩かれたみたいでいてぇ!まさか、病気か・・・!?」



ハーフタイムになると、未茉が観客席から明徳の男子ベンチの方へと降りていき、
「キタロー!なんか手伝うことあるか?」
一人でみんなのケアしてるキタローの大変さを知っていたので、声をかけると 

「…大丈夫だ。白石はみんなに声かけてやって。」
「おう!任せとけ!!」

「あ、未茉ちゃん。」
「おう!お前ら調子どうだ?マッサージしようか?」
ほぼでずっぱりのBIG3の元へ行くと、翔真はいつもと変わらない様子だったが、三上と結城はかなり疲労困憊で汗の量が尋常じゃなかった。

氷を持ってきて冷やし、結城の体をうちわで仰いでると、
「星河さんは?」
「今結果報告にアップしてる王子んとこに戻っていった。」
「お前らがイチャついてっから、翔真がマイクさんにやられてんだよ。」
あえて意地悪をいう結城に、

「ああっ!?あんだよ。お前、そんな簡単にマイクにやられてんのか?なっさけねぇな!」
未茉は翔真の肩を叩くと、

「ほら、翔真かっこいいー!イケメン!!頑張れ大好き♡って言ってやれ!!」
コソッと結城が未茉に耳打ちすると、
「会場の女子達が叫んで言ってんじゃん。」

「・・・・。バカ。お前に言われてぇだろ!なっ?翔真?」
「うん。」
素直にそう頷いた。