『大成高校一年17番、早乙女君』

「「きゃぁぁああ!早乙女ー!!早乙女くぅーんっ!!」」
ギャラリーからは大成で唯一ピンクの声援が上がった。

「すげぇな!早乙女ってモテるんだ。」
「湊とどっちがタイプ?」
「また・・そうやってニヤけながら聞いてくんな!」

「俺は早乙女より湊の方がいーけどな。」

「えっ何、健兄まさかそっち?!」
「ソウヨ♡」
「あっははははっ!!!」
更に二人は仲良く叩き合いながら笑う姿を見て、翔真は

「あーー未茉ちゃんめっちゃイチャついてる…何あの笑顔…まぶし」
いてもたってもいられずにイライラしてると、

「俺全然人混みで見えないんだけど…よく見えるな・・翔真・・・」
三上は目をかすめるもみんな同じに見えて人物特定などできないのに、その視力と嗅覚にひきつる。
 
「見える。めっちゃくちゃ見える。あーー邪魔しに行きてぇ」
「おい・・行くなよお前・・」
もうすでに意識は連れてかれてマジで行きそうで怖い結城であった。



「ま、未茉には湊より俺の方が似合うけどな。」
勝ち誇ったように答える健に、
「あははっ。結局そうなるんだ」
少し緊張が緩み笑う未茉。

「そりゃ俺が一番未茉を思ってきた自信あるからなー。変な奴と付き合うのは許さねぇな。」

「そっか。じゃー健兄って答えればよかったな。」
「あ?」
「さっき早乙女に誰に告白されたら付き合うか聞かれてよ。」

「ふーん。じゃ、俺と付き合う?」
「ぶっ!!」
あまりにも自然な流れで聞いてきたので思わず飲んでいた水筒の水を吹き出してしまった。