「王子は健兄以外みんな練習?匠兄は?」
「うん練習。みんな練習してた方が気持ち落ち着くらしいな。」
「まぁーどっちも後がない試合だしな。見てたら緊張しちまうか。」
大成と明徳戦を一緒に見ることにした観客席で健と肩を並べながら話す未茉は、ふと気になることを訪ねた。
「なんかさーあたし匠兄に避けられてる気がするんだけど、気のせいかな?さっきも目合わせてくれなかったし。」
「あー……」
(本当のこと言うわけにはいかないよな……)
「ピリピリしてんだよ。正直、明徳には勝てると思ってたからさ。」
「そか。敵と思われてるのか。」
「今日負けたらインターハイ絶望だしな。」
「じゃ気にしすぎだったかな。あたしの。」
「うん。さ、どっち応援するかな。」
「そこは明徳だろーが!」
「はははっ!」
『只今より決勝リーグ大成高校と明徳高校の選手の紹介を行います。』
「「わぁぁぁああああ!!」」
「「大成っ!!大成!!!」」
「「明徳!!明徳!!」」
ギャラリーの熱が一気にヒートアップして両チームの応援が響き渡る。
「湊とお揃いだ?それ。」
健は未茉がしていたリストバンドに気づき、
「ん?」
「湊達もしてんじゃん。」
コートにいるBIG3を指差して言うも、
「そう!よく気づいたな!あとね、このヘアバンドは女子みんなにマネージャーのキタローが作ってくれたんだぜ!!」
「おお、確かうちに練習試合に来た時、部員の奴らが噂してたぜ。すっげーオカルトなマネージャーがいるって。」
「オカルトぉ!?オトメンで可愛い奴だぜ!!」
「へえ。可愛いよそれも似合ってるよ。」
未茉の髪に触れながらバンドを整えてると、
((イチャついてる・・・))
コートからは早乙女と翔真が気が気ではない視線を感じると健はそれに気づいて「ぷっ」と吹き出す。