「可愛い可愛い!」
「記念になるね!!」
三年達は喜んで付け始めるも、
「ほら前原もー!」
「私はいいです。ゴムなんて汗で痒くなるし。」
プイッと目をそらされシュートに向かう前原のボールを白石は奪い取った。
「何す……」
「付ける!って言ってるじゃん!!」
「付けないって言ってるでしょ?」
「意地っ張り!!!」
「意地なんか張ってないわよ!!嫌いなの!」
「前原ぁ~……」
二年のくせに大人げないと言わんばかりに三年は呆れてると、
「あははは!!女には好かれるより嫌われてるくらいが気が楽でちょうどいいやっ!!」
逆にすっきりしたように笑い出す未茉は前原にボールをパスした。
「前原さん1on1しよーぜ!」
「勝手に決めんな!」
「あ、勝てないからだ?」
「はぁ?マジうざ」
「行きますよ?」
「いいコンビになるといいね。」
「ん?うん。」
水上が鈴木にそう呟くとゆっくり頷き、
「あの子達が同い年だったらな……って思うよ。最近。」
「うん。」
「このメンバーで三年間戦えてたらなって。」
「そうだね。白石が入ってきた時はこんな一体感なかったしね。」
クスクスと笑いながら前原とやり合う未茉の二人の姿を見ながら、一筋の涙が頬を伝った。
「このユニフォーム着て、せっかくのこの最強メンバーがインターハイで終わりなんて本当に心の底から寂しい。」



