自販機の前では今にも泣き出しそうな鈴木を慰めるようにそっと胸の中に抱き寄せるマイクがいた。

「モテんだな。あのギザな白人はよぉっ。」

未茉は遠目から嫌み交じり頬笑むと、さてと。と戻ろうと振り返ると早乙女が立っていた。

「おわっ!びっくりした早乙女!いたの?」
「何かあったの?」
「お前んとこの田島さんがわざわざ試合前に挑発するようなこと言ってきてさ。ボールより男を盗ったみたいなよぉ」

「……ああ。田島さんとマイクさん付き合ってたから。」

「ぉえっ!?そうなの?」
「うん。マイクさんが鈴木さんに一目惚れして乗りかえたとか、鈴木さんが奪い取ったとか噂を聞いたような聞かないような…」
「要は天秤にかけたってことかよ!だっらしねぇーな!あの外人は!!」

「・・・。」
先輩なので何も言えず苦い顔の早乙女だが、そんな時、ふと聞きたくなったことがあって口にした。


「白石さんは、誰かと付き合いたいと思ったことある?」

「あたしぃ?別にねぇな。」
「もし、今この人に告白されたら付き合うって人、いる?」

「え??」