「早乙女、この前の挑発は倍にして返すな。」

開会式の日、わざと自分に見せつけるように未茉と手を繋いだことを翔真は根に持っていた。

「どうやって?」

「大成に勝ったら告る。」

真剣な眼差しで睨む早乙女に対し、決意を固めた翔真は言いきった。


「無理矢理にでも俺のものにする。もう誰にも触れさせない。」

滅多にエゴを吐かない翔真の宣戦布告にそれまでの穏やかな空気は一辺させた。


「じゃこっちは死んでも負けないよ。」

両者、一歩も譲らない意地の張り合いの決勝戦が始まる。



(なんだよ・・・やっぱ自信あんじゃんよ。)
だが、そのやり取りを聞きながら結城は、昨日のあの弱気はなんだったんだよ・・と、心配損のため息ついたのだった。