「…翔真。」
そしてこちらも別廊下では、鉢合わせになった大成男子部員達の中のマイクがBIG3に気付き、静かに名前を呼んだ。
「マイクさん。」
「まさかお前らとこの舞台に立って戦うとはな。」
ここまで勝ち上がってきたことも、どこか感慨深い横顔に三人は答えの代わり小さく頷くと、
「本当ならお前達と同じユニフォームを着て戦いたかったな。」
「マイクさん…」
結城と三上は言葉を詰まらせた。
それを一年もの間大成で三人の入学を心待ちにしていたマイクにとって、三人と戦うのは色んな思いを今胸にしてるんだろう。と後ろにいた早乙女も悟っていた。
「…俺が、明徳を選んだ理由ずっと気にしてくれてましたよね。」
そんな重い空気の中、翔真は口を開いた。
「ああ。」
「バスケをして初めて自分の為に選択したのは、これが初めてだったんです。」
「「…!」」
その意外な言葉に結城も三上も、マイクも顔を上げた。
「それまでは、自分がどのチームでどのポディションでもよかった。言われて求められて与えられたとこでこなしてきて、何も不平不満もなく。」
「…」
「初めてここでバスケしたいって強く思ったんです。自分の気持ちを譲れなかったんです。そんな強い気持ち持てたのは、生まれて初めてで。」
「そんなに…」
絶句するように結城は驚いてしまった。
「うん…、なんかしょぼい奴でごめん。」
いつものように翔真は穏やかにそう笑うと、
「そんなことないよ。最近の翔真の方が一緒にバスケしてても楽しいぜ。」
三上はそっと肩を叩きフォローすると、マイクは大きなため息をつき、手を差し出した。
「じゃ俺を振った分、全力でかかってこい。」
「もちろんです。」
マッチアップを楽しみにしてるように翔真は微笑んだ。



