TIPOFF!! #LOVE SPRING





『ッーッー……』

「ど……どうした翔真ぁ!?」
乗り換えで電車待ちをしていた翔真は、一方的に携帯を切られて青ざめてく様子に結城は驚いて見上げる。

「あー……もう!!!」
髪をグシャグシャとかきながらその場にしゃがみこむ翔真に
「だ・・大丈夫か?お前」
翔真がこんなに取り乱すなんて普段でももちろん試合でも見たことない。

「いや……大丈夫だ。」
すぐに我に返り翔真は‘わりぃ’としゃがんだまま顔を埋めて呪文のように悶々とする頭の中で、“大丈夫だ”と言い聞かし、なんとか平常心を取り戻そうとする。

ガタンゴトン……
快速の電車が目の前を通過してホームは静まり返り、風だけが吹き抜ける。


「そろそろコクれよ。インターハイ終わったら。」

「んー…」
じれったそうなため息ついて結城に言われるも返事は曖昧だった。

「なんで?まさか自信ねぇーの?」
「言っても言わなくても状況変わらない気がする。」
「いや、アイツには言わなきゃ一生変わんねぇ気がするぜ・・・俺。」

翔真は左腕のリストバンドを見つめて触れながら、想った。

「手の届く距離にいるのに…な。」