「白石がさっきから練習通り、いつも通りって言ってた意味は、これです。
仲間が落としたリバウンドは必ず反応できるからです。この選手がこっから打てば大体ここで落ちる。ボールがバウンスするとか、サイドスピンするな、とかとっさに判断してるんです。」

明徳ベンチではキタローがそう分析すると、監督は信じられないといった様子で頷くも、

「みんながいつも通りプレーすれば自分は必ずリバウンド取れるっていう自信か……。」



リバウンドをキャッチした未茉は、一瞬でゴールに向かっていた右手のボールを空中で左手に持ちかえすり替え、シュートを決める。

ーーシュッ!

「「き……決めたぁぁぁあ!!!」」
明徳の連続ゴールに会場中が沸いた。
「「白石空中で何したんだ!?早くて見えねーよ!!」」
会場中にはどよめきの声が走り、大成メンバーは唖然としたため息をつきながら、

「リバウンドを取ったら白石のあのどこからでも、正確にすぐに打つあのシュートモーションの速さにディフェンスだって対応できない。」

「そしてほぼ決める…。」
ふーん。と次選の相手となる天才プレーヤー白石未茉を高見の見物をする田島だった。


「じゃ。お疲れマイク」
健がマイクの肩を叩き立ち上がると、
「いくのか?まだ(試合)分からないぞ?」

「勝つに決まってる。」

自信に満ち溢れた瞳で去ってく健の言う通り、女子の決勝リーグの初戦、明徳学園の勝利をおさめた。