ーーガゴン!!
桜蘭選手が放ったボールがリングに当たった瞬間、一斉に走りこむ。

「焦るな!!」
思わずマイクもそう観客席から叫んでいた。

「そうだ!前園よりも先に取りたい逸る気持ちは分かるがしっかり我慢して相手を押さえ込む!!冷静に!!」
野村監督がそう鈴木に向け、ベンチから声を出すと、だがリバウンドをしっかりと手にしたのは…

パシッ!!!
「「おぉおっ白石!!!」」

未茉だった。


「白石…今、リングに当たる前にボールの落ちる方向に走ってた。」
田島だけはそれに気づいたが、
「さすが白石さん!感覚ですね。」
早乙女は嬉しそうに話すが…、
「感覚?ありえない。」

そしてオフェンスリバウンドも未茉が次々に取り、シュートを決めてく。
「「何!?」」
早すぎる反応と正確さに桜蘭も目を疑った。


「なんであんなリバウンドを取れんだよ…しかも誰よりも早く反応して…」
未茉を押さえようとするユリは何かに気付き、ハッとした
「まさかあなた…」


「簡単や。未茉は味方のシュートや癖、回転とかよお見とる。数ヶ月一緒にプレーしてるんや。」

よく知り尽くしてる静香の言葉に、マイクや早乙女は耳を疑い、
「NO…ありえないバカ言うなよ。まぐれだろ。」



「それができるから天才なんだよ。」


「健…!」
そこに現れ話に入ったのは、先程大成を破りチームを勝利に導いたチームジャージ姿に着替えた星河健だった。

「まぁ、本人は自覚っーより、勘なんだろうけどな。バスケIQは高いぜ。」
どこかどや顔でニッと頷きながらコートを見る健の言葉に大成メンバーは唖然とした。