ーーパシュッ!!
「「よっしゃぁああ!!ようやく明徳決めたぞぉ!!白石の3ポイントだ!!」」
「やっと決まったか・・・」
明徳ベンチが安心するのも束の間、すぐにまた桜蘭の攻撃が始まり、あっさりと3ポイントシュートを返されてしまった。
「うあ…マジかよ…」
「大丈夫かこれ明徳…」
完全に流れを持ってかれ、項垂れるように結城と三上は頭を抱えると、
「青、タイムアウトです。」
ようやく明徳はここでタイムアウトを使い、ベンチへ集まり、
「鈴木、どうして…」
野村監督の注意より先に、
「前原さん、マジで練習通りにやってくれ。」
「はぁ!?お前、一年がなんつー口聞いて…」
未茉の言葉に黙ってられない二年が身を乗り出して怒ると、
「なんのためにあんなに練習してきたんだよ!?練習通りやりゃ勝てる!!緊張なんかしてんな!」
だがひるまずそうみんなに怒鳴ると、みんなは唖然とし、
「キタロー水!」
「はい。」
キタローから貰った水を飲み干し、
「リバウンドならあたしが取る!!だからあたしを信じろ!!」
そう未茉は強気に言いきり、監督の言葉も聞かずにコートへ戻ってくと、
「確かに焦ってた…」
新垣も水上もそう反省したように呟くと、
「当たり前だ。今までとは違う。東京トップという未知の領域にきたんだ。焦っていつもの判断が出来なくて当然だ。」
野村監督はみんなの沈む顔を見て、寄り添うように頷き優しく声をかけた。
「白石の言う通り、今までのお前たちの練習通りやればあのぐらいのプレスじゃ負けない。必ず勝つという強い気持ちでリバウンドもみんなで取るんだ!」
「「はいっ!!!」」
一気に選手達の顔つきが変わった明徳ベンチを見て、このタイムアウトが意味があったものだと信じる応援席だった。



