「相変わらずあの二人は仲悪いんだな…」
声は聞こえてこないが観客席からも、コートの二人の険悪な様子が伝わってくる結城と三上はため息つく。

「リバウンドをことごく桜蘭に取られてるしな。」

「ああ。しっかり鈴木さんがボックスアウトしてるんだけど、前園の反応が早いし、何より高くジャンプして必ずリバウンドを取ってる…」
「まず激しいディフェンスで明徳にタフショットを打たせようとしてるから、シュートは落ちるし、リバウンドは取れないし、流れが悪すぎる。」



「goodteam…桜蘭。さすがここまでのしあがってきただけのことはある…。」
そして同じようにマイクも改めて完成度の高いチームに唸るように頷く。
「バスケはディフェンスから。その基本通りに少しでも疲れたらどんどん交代するし、誰が出てきても全力で激しいプレッシャーかけて明徳の攻撃リズムを崩す。あの監督中々やるね。」
田島は選手よりも監督の戦術と起用の仕方に目を見張っていた。


「さすが敏腕監督だなぁあ…」
やり手の桜蘭学園の美人監督にこっそりと明徳から熱い視線を送る新米斎藤の目はすっかりハートだった・・・。