ピーーッ!!

『ただいまより桜蘭学園対明徳学園高校の試合を開始致します!!!』
「「わぁぁぁあああっ!!」」
試合開始のホイッスルがかき消されてしまう程の声援と共に試合は始まった。


(北君から動画見せて貰ったけど、桜蘭のディフェンスは東京一番だといっても過言じゃない。高さはそこまでないチームだが…、)
キャプテンがボックス内でボールを受け取り、慎重に一本決めようとすると、

「「高いッ!!!」」
「なんて高さなの!?あの7番!!」

高く飛びジャンプしたユリが、鈴木のシュートコースを邪魔して、すぐに桜蘭の四番の選手がユリが取るのをわかっていたかのように流れるように走り出しシュートを放つ。

ーーシュッ!

「「きっ……決まったぁぁあ!!先制点は桜蘭だぁぁ!!!」」


「相変わらず体がバネになってるみたいに高く飛ぶな…」
「ああ、そっか。マイクは前園と同中か。」
観客席では大成メンバーが試合を見ながら話し出す。
「翔真を追っかけてバスケ始めたんだけど、元々高い身体能力で才能開花、すぐにレギュラーになったけど、益々うまくなってる。」
「数年であれか。」
田島は肘つきながら冷静に見つめ、隣の静香は全中の時の試合を思い出す。

「前園ユリのジャンプ力は脅威やで。多分全国トップクラスや。あれだけ高く空中を飛べる奴は女子で見たことあらへん。」