「おい…噂通りどっち応援するか迷うくらい両エース可愛いな。」
「おう!見に来た甲斐があったぜ。」

普段の平日にも関わらず、午前中の男子の王子戦では、多くの星河兄弟のファンの女の子達が占めていたが、午後からの女子の決勝リーグは、桜蘭学園×明徳の試合の観客席も浮かれた男子達で埋め尽くされていた。

「北っ!北っ!!」
弾んだ声で新米斎藤がキタローを呼び、
「桜蘭の監督めちゃくちゃ美人じゃないか?まだ若そうだしっ!!」
「・・・・。」
そして信じられないことに明徳ベンチにも浮かれた奴もいた。



「しかし美人だなぁー前園ユリ!」

元々、お嬢様学校の桜蘭学園ブランドということもあり、ネットでも八頭身でモデル級のユリの美しさは話題になっていたらしい。

「明徳の白石未茉もまだあどけなさがあって可愛いな!!こっちはアイドルって感じ!」
どっちがいいとかバスケに関係のない見てくれ話に試合観戦にきていて隣に座っていた大成女子軍団の静香は聞くに耐えず立ち上がり、

「どこが可愛いねん!!見る目ないんとちゃうか!?おめぇら。あの二人のどこをどう見たってうちの引き立て役やないか!!」
男達に怒鳴り散らすと、

「デ・・デカ・・」
「怖っ・・・・!!」

その迫力に一気に凍りつくように静まり返った。