TIPOFF!! #LOVE SPRING





「お待たせ!!キタローが急いでビタミンゼリー調合して作ってくれたぜ!!キタローが言うに筋肉疲労から来る熱じゃねぇかって!

「ありがと。そうなのかな…」

「え…なにちょっとキタローってあの側にいた怪しいマネージャーのこと!?試合前にそんな素人が即席で作ったもんなんか飲ませて平気なの!?」
未茉が持ってきたゼリーに不安しかないユリは顔がひきつるも、
「キタローはスポーツトレーナーの勉強も栄養士の勉強もしてるし、選手が常にどんな状態に陥っても大丈夫なようにすっげぇ重いリュックに色んなもの持ってきてくれてんだよ!!」

「ん。さんきゅ」
翔真はもちろん全く疑うことなく、薬とビタミン剤を貰うと一気に飲み干し、

「ん?」
椅子に座りながら熱で少しだけ潤んだ瞳の翔真に未茉は見上げられると

「ちょっとだけこうさせて。」

ぎゅっとそのまま背中に手を回して甘えるように未茉の体に預け抱きついてくる。

「ん。」
彼のふわふわの綿菓子のような髪の毛が未茉の頬に触れると、たまに見せる子供みたいな翔真が可愛く見えてその頭をよしよしと撫でた。



「……」
翔真が自分からあんな風に誰かを求めたり他人とのボーダーラインを飛び越えて甘える彼を初めて目の当たりにしたユリはその場を後にした。

(私と付き合ってる時には、あんな顔見せたことなかった。)
「あーこれから試合だっていうのにきっついもんみたな……もー。」

さっき引っ張っていた翔真の腕に触れていた手を見つめた。
熱なんかにまるで気づかなかったユリの目には涙が溢れそうになり強く目蓋を押さえた。