明徳戦の裏では、王子学院対大成高校の大一番の試合が行われる。
大成男子は今だかつて白星をあげたことのない絶対的王者王子学院に戦いを挑む。
もし勝利すれば、大成の二勝が決まり念願のインターハイ出場が決まる。
「こっち(大成)が気持ち的には有利に思えるが…すんなり勝たせてくれないのが、王子学院だ。」
(特に、星河健。昨日の試合でチームバランスを崩したのを無理やり立て直さず、あえて今日に賭けてきたのかもしれない。あの男は。)
勝ち方をちゃんと分かってる星河のやり方にマイクは警戒していた。
午前の男子バスケット決勝は二試合、四校とも両者一歩も譲れない負けられない試合となり試合前から白熱さを増していた。
「絶対にこの二戦は落とさない!!」
「リバウンドは意地でも取れ!!エース湊率いるBIG3をぶっ潰せば明徳など目じゃない!!」
特にもう後がない荒井高校は、BIG3特に湊を何としてでも封じ込める作戦に出たのだ。
意気込む声が明徳ベンチにまで聞こえてくる背水の陣の荒井高校を尻目に未茉は翔真の元へ向かうと、
「!」
タッチの差で桜蘭のエースで翔真の元カノの前園ユリが楽しそうに二人で話を始める。
「翔真、昨日の試合見てたよ。」
「うん。あ、未茉ちゃん。」
未茉に気付き振り返るとユリは翔真の腕を引っ張り不服そうな顔をして、
「今は私と話してるんでしょー。もー。」
「わりぃな!あたしすぐ行くから。」
分かった分かったと軽くあしらい、未茉は翔真の顔を見上げた。
「疲れてるのかよ。大丈夫か?」
「じゃ代わってくれる?」
「おう!いいよ!あたしなら翔真の倍、数倍、いや数十倍点数決めてやるからなっ」
「あはは頼もしいな!でも大丈夫。」
「無理すんなよって言いたいとこだけどよ、無理しないと勝てない相手だからな!!」
「ん。」
ぽんっといつものように翔真が未茉の頭に手を乗せた時に、その小さな異変に気づき、その手を確かめるように触れた。
「熱……!」
「え。」
「翔真、熱じゃね?!」



