昨日の王子学院対明徳戦は、決勝リーグ一の大番狂わせだと東京のスポーツ新聞にも取り沙汰される程だった。
今年も全国優勝候補のを王子学院を70対69の一点差で明徳学園が勝利したからだ。
本来、王子学院はスター兄弟を起点としたプレーだったが…
「星河匠が絶不調だったし、攻撃リズム壊してたし、シュートも一本も決められてなかったぜ。」
「マジで!!?」
結城が昨日の試合を振り返り話すと、スタッツを見た未茉はターンオーバーの多さに声をあげて驚いた。
昨日の大きな王子学院の敗因は匠が全く機能してなかったことだったのだ。
「匠兄が不調なんて初めて聞いたかも。」
「でも、やっぱ星河健はさすがだよ。」
「健兄?!」
「ああ。見事に立て直して一点差まで追い付かせたし、正直…翔真が歯が立たない相手なんて初めて見たぜ。」
あんだけエンジン全開だったが、最終Qはほぼ押さえられて点を決めさせて貰えなかったと、正確には逃げ切った感は強かったようだ。
「なに怖じ気ついてんだよ!!」
バシンっ!!と結城の背中を叩き、
「イッてぇ・・・」
「一点差でも勝ちは勝ちだろ!!!これで今日うちが荒井戦に勝てば、インターハイ出場決定じゃねーか!!!」
無名高の明徳がまさかのインターハイ出場に大手をかけたのだ。
それは誰しも予想だにしなかったことだったのであろう。