「白石は?」

明徳の体育館では明日の試合に向け、午後から女子バスケ部が練習していてさっきまでいたはずの未茉の姿が消え、新垣が辺りを見回しながら聞いた。

「駐車場。」
「え?」
鈴木キャプテンがため息つきながら時計を見て答えた。

「もう男子が試合からバスで帰ってくる時間だから結果を一番に聞きたいからって駐車場で走りこんでるって。」
「えー?体育館で聞きゃあいいのに。」
「あの性格は何言っても無駄なんでしょ。」
「沙穂、最近甘いよ白石に!」
「もちろん明日勝つって条件付きだけどね。」


プップーーーッ!!
駐車場に試合を終え男子バスケ部員達を乗せたバスが明徳高校に到着すると邪魔だと言わんばかりにクラクションを鳴らされると、

「あ。」
バスの窓から駐車場の外に気づいた翔真は一人立ち上がると、
「あ、白石だっ!!」
「何やってんだアイツはあんなとこで」
みんなも気づき窓の外に目をやると駐車場の花壇に寄りかかり大の字で気持ちよく居眠りする未茉に気づき指をさす。


「未茉ちゃん!」

「ふがっ!」
その声に気づき心地よい眠りから目を覚ました未茉が顔をあげると、バスから一番に降りてきた翔真が向かってきて

「翔真……!!試合っ!!」

いてもたってもいられなかった未茉は飛び上がるように起きて、結果を尋ねると翔真はクスクスと笑いだし、


「言ったじゃん?
絶対勝つから大人しく待ってろって。」