「「すげぇえぞっ翔真ぁぁあ!!」」
「なに…!!?」
観客の興奮と期待の高まる声にはブルッ……と鳥肌に近い身震いをして翔真を見ながら、我が目を疑うような星河弟の匠だった。
(計算外って顔か…匠さん。)
隣で二階堂はその焦った様子の匠に目をやる。
(気持ちはわかる。アイツ…湊は、日本人離れしてやがる。)
(初めて見たな。こんな勝気むき出しの翔真は。)
何年も一緒に戦ってきた結城がそう思うほど、まるで別人に思えた。
(でもすっげー楽しいぜ。パス出せば、ぜってぇリング揺らしてくれっからな!!)
「憎らしい奴だな。相変わらず。」
すぐに着替え、元世田中の後輩達を観客席から悔しそうに見下ろすマイクだった。
「大成に来てくれてれば…って感じですか?」
隣で早乙女が意地悪そうに訪ねる。
「…いや、そしたらあんな闘志むき出しの翔真は見れなかったろうな。」
どことなく寂しい横顔のマイクに早乙女は軽く頷いた。



