そして王子学院高校対明徳高校の試合開始のアナウンスが流れスタメンメンバーがコートに現れると、


「キャプテン、星河匠さんを俺にマークさせて下さい。」

ジャンパーのボールを構えながらおもむろに放った翔真の言葉に
「「何っ!!?」」
聞こえていた王子の選手も皆声を揃えてその突然すぎる申し出に耳を疑う。

「ばっ……バカ言うな!一年のくせにうちのエース星河をマークだと!?笑わせんな!この身の程知らず!!」
王子のキャプテンがぶちギレながら翔真を睨むも、ジャンパーのタッチから投げ出されたボールが王子の選手に渡り走り出した。

「生意気な一年が!!調子に乗りやがって!!!」

鮮やかなパス回しの後、匠がゴール下でシュートを放つも、しっかりとBIG3がリバウンド争いに入り、

「たったけぇ…!!!!」
スタメン平均身長189センチの明徳は、男子決勝リーグの中でも一際高く、高さならばどの高校にも負けてなかった。

「湊のジャンプ力すげぇ!!!」
「奪い取ったぞ!!!」

ベンチも観客も、リングよりも高い伸ばした手の到達点に一際目を引くそのジャンプ力に、まさかと目を疑うように立ち上がった。

「翔真ぁぁあ!行けッ!!そのまま突っ込めーー!!」
監督もベンチから叫びながら翔真がまずは試合開始一発目、王子のセンターを交わし、
「「翔ーダンクぅ!!!!」」
「わぁぁあっ!!!」
ダンクで会場を湧かせた。

そして、王者王子を黙らせた。