第一試合目の撮影やインタビューが終わると、第二試合目の王子学院と明徳学園がコートに入ってくると、

「よっ。」

全国制覇蛇の貫禄なのかは分からないが常に自信で満ち溢れてる健は堂々とした振る舞いでコートに立つ翔真に微笑み、声をかけた。

「どうもこんにちは。」
そして元々何事にも動じず余裕を持つ翔真は試合前と言えどもいつもと変わらぬ様子で挨拶を返した。

(試合前なのにお気楽ムードだなぁ・・)
なんだか憎めない彼の今日もネジの緩さに健も苦笑する。


「まさか君、試合出るの?」

そこへ匠がユニフォーム姿の翔真を見て嫌みのように言うと、それを聞いていた結城が頭にきたのか、割り込んできて自信満々に答えた。

「翔真はうちのエースだ!!」
「えっ!?エース!?一年が?はは。Cブロックは随分運だけで勝ち残ってきたんだな?」
「は…!?いくら王者だからって」
悪びれもない侮辱に思わずカッとなりかけた結城を止めるように翔真が口を開いた。


「星河匠さんはスタメンじゃないんですか?」

「スタメンに決まってるだろ。誰に口聞いてんだよ。」
「楽しみにしていますね。」
嫌みにも顔色一つ変えずに翔真はいつものように微笑むと、

「「みーなとっ!!!みーなとっ!!!」」

星河兄弟に続き翔真のコールが観客席から聞こえてくると、
「どういうことだ……?なぜ湊なんかのコールが……」

ギャラリーから飛び交う王子だけじゃなく明徳の声援の声に匠に耳を疑った。

「星河さん。試合が始まれば分かりますよ。うちの湊の凄さがね!」
結城は‘ふん’と息をあらげながら言うも、

「じゃ…弱小校相手に勝ち上がってきて目立ってただけだろ。」

「気にするないくぞ翔真!!」
言ってろよ!と睨みながら結城は翔真を引っ張ると、
「大丈夫、ありがと結城。」
そこへ、相手ベンチからの何やら鋭い視線に気付き目をやると、

「んっべえっっっ!!!!」

「あ、二階堂!!?」
思いっきり舌をだしてあっかんべーをしてる二階堂に、
「てっめぇ!!お前なんかけちょんけちょんにしてやるからなぁぁあ!!」
「あんだとこらぁぁ!!」
宿敵二階堂に結城は掴みかかって言い合いとなる・・・・。