「全く!!あいつらこのイケメン担任様をよそにいちやいちゃと……ん。待てよ?
俺もバスケ始めようかなぁ!?もしかしたら秘めてた才能があるかも知れない!!!」
「・・・・。」
突然妄想する担任をキタローは側で冷めた視線を送る。
「考えてみりゃ、バスケって密着するスポーツだし、ああいうアクシデントに恋が芽生えちゃったりするかもしれないしなぁ。」
まさかの教え子からヒントをもらい、ネットで素人独身バスケチームを検索する新米斎藤。
“えぇっ!!?インターハイ東京予選優勝高の監督なんですかぁ?!”“かっこぉぉいいっ”
女の子が群がってくるに違いない!!!
想像しただけで真っ赤になり、ヨダレを足らす斎藤に、
ルーズボールが顔面めがけて飛んできて、
がっしゃぁぁああんっ!!座っていたベンチごと転がり落ちるのであった・・・。
「かっこいいですよ…東京予選優勝候補の監督の斎藤先生…」
それを見ていたキタローがボソッと呟くと、
「なぁっ!!?なんで・・・北っ!!俺が考えてることを読めたんだなぜだ!!!なぜなんだ!!やはりお前は人間じゃないんだなっ!!?やはりお前はぁぁぁああああ」
「クックッ…」
と小さく嘲笑うキタローに背を向けられ叫びだす斎藤に、
「うっせぇな・・・。新米」
「アイツが一番緊張感ねぇよな。」
みんなからは呆れた視線を送られるのであった。