ーーダンッ!!!!

「うわっ翔真……!!」

二年三年の頭上から、驚異的な脚力で片手で思いっきりリングに叩き込む得意のワンハンドダンクに部員達は太刀打ちできない……とみな驚くも、

「ナイシュー翔真!」
結城がポンッと背中を叩くと「うん」と答える翔真の横顔が今まで見たことないくらいハッとするくらい真っ直ぐで少し驚いた。


「ん?何」
「いや…なんかマジだな。ってお前にしては珍しく」
「珍しく?あはは」
そうつっこむといつもの翔真のふわっとした笑顔に戻るも、
「明日だけはぜってぇー負けない。」
「!」
翔真がこうむきになって宣言する時は必ず何かある時だと、親友は分かる。


「ん?待て。明日だけはって・・・。」

それはそれでおかしいだろ。と突っ込みたくもなったが、ただそれでも翔真の一言は逞しく緊張や不安を打ち消され、同じ1年なのにチーつムに力や安心感をもたらすのでそれ以上口にはしなかったが…

(王子には……か。まさか星河兄弟に嫉妬してるのからとかかじゃねーだろうな・・)

「よしっ!もう一本!これ決めるぞ!!!」
「「おうっ!!」」
さすが友人の結城の鋭い読みは的中してることはもちろん誰も知るよしもなく、

「よし…!珍しく気合い入ってんな翔真!!いい調子だ!!」
チームの要の翔真の出来映えの良さに野村監督もガッツポーズを決め、手を叩いた。