「おい、なんだ・・・あの片目のこえぇ奴は・・・」
「泣いてるぜ・・こわ」

少し離れたとこで女子部員を見守るようにキタローが肩を震わせ大粒の涙を溢しながら泣いてるのを見て、観客達もみんな引き気味で見ていると、

「おっしゃぁあ!!勝ったぜ!キタロー!!」
そんな空気もお構いなしに未茉は勢いよく腕を掴んで、みんなの元へ連れてくと、
「北マネージャーも一人一人への献身的なサポートありがとう!!」
そう労いの言葉を鈴木がかけ、明徳女子部員を集めて、

ーーーパチンッ!!と手を叩き合い、その手を絡めて握り合い、

「「やったぁぁぁぁあ!!!決勝リーグ進出ッ!!!」」
みんな円陣を組んで見合わして笑って、抱き合った。


「お、よかった。」
コートまで降りてきた翔真はその光景を見て嬉しそうに微笑むと、

「翔真…!」
気づいた未茉は、翔真に手を振ると明徳ギャラリーを指差した。

「「おめでとー!!!」」
明徳の男バス達のギャラリーからは盛大な拍手が送られて、
「「明徳女子最高!!」」ピーーと笛を吹かれながら祝福を受けると、

「いぇーい!!全国いくぞー!!みんなで!!」

未茉は大きく笑って手を振った。


「……おめでと。」
「さんきゅー」
「やったね。」
前原を始め二年はその輪に加わらないものの、手を合わせて静かに喜びを分かち合っていた。