「「たっ田島だ……!!さっきの田島のシュートと同じ!!?」」
一斉にみんなが気づき始めると、会場中がどよめいた。
「あれを真似できるなんてただ者じゃない!!」
会場中が驚きの声をあげる中、滑らかな動きで再び未茉はシュートを決めてく。
「あれもさっきの田島のシュートと瓜二つだ……!!」
「まさか…そんなこと可能なのか!?」
誰もがコートでさっきの田島のシュートをリプレイする未茉を唖然とみていた。
「可能だ。」
健は壁に寄りかかり、腕を組ながら誰もが騒ぐ中、未茉を見て勝ち誇った笑顔を浮かべ頷いた。
「天才だからこそできる。天才だからこそなせる技だ。」
昔から未茉は、自分より上手い奴に勝負を挑み、凄いと思うプレーは、すぐに真似する癖があった。
“あたしもあれやってみたい!!あれ、やってみる!!!”
「未茉のシュートフォームが綺麗なのも手本を全て体で完全コピーしてるからだ。しかも清二さんのを一ミリのズレもなく。それができるがゆえに天才と呼ばれるんだ。」
健の隣に来てそう言った匠が小さい頃から、未茉が見たものをそのままプレーにかえられるように父に教え込まれてきたのを知っている。
「あたしにも出来るな!」
着地しながらニッと無敵な笑みを浮かべる未茉を見て、
「ohmygod!!!?さっきの短時間の田島をコピーしたっていうのか!!?」
マイクが‘信じられない!!’とオーバーリアクションで立ち上がり何度も自分の目を確かめるように身を乗り出す。
「いくら…頭で覚えたものを記憶したからって体で、東京ナンバーワンと言われる田島さんのスピードドリブルをできるなんて…」
やろうと思ってあんなに簡単にあのスピードでドリブルして、あんなトリックプレーなんてだせるわけない…!と声を震わせながら早乙女は頭を横に振った。



