「未茉、宜しくね。負けないよ。」
にこっと側にやってきて握手の手を差しのべるの莉穂に、
「おう!莉穂。宜しくな。おわっ、先輩達!ひっさしぶりぃー!!」
古巣メンバーに気付き、笑顔で手を振ると、

「白石、久しぶり。どこへいってもその直らない口の聞き方なのね。」
そこへ、相手チーム王子学園のキャプテンであり、中学校時代のチームメイトである先輩が、苛立ちを顔に隠しながらにっこりと微笑むも、

「あんたさえうちに来てくれれば、うちが東京ナンバーワンなのにあんたがバカだからあんたがバカだからバカだから」

「せ・・先輩言い過ぎですよ・・・」
肩を抱かれながら涙ぐむ先輩に莉穂は苦笑いで突っ込む。

可愛がられていて、一緒に高校でプレーをすることを夢見てた先輩達にいじられてる姿に、


「白石なんてうちに来なきゃよかったのに。」
明徳の二年の女子達は、冷たくしらけた視線を送っていた。




「名門の王子でプレーする白石さんを個人的には見てみたかったですけどね。」
大成ギャラリーからコートを見つめる早乙女が思わずもどかしそうに呟くと、マイクは頷いた。

「NO。そうしたら大成女子といい勝負することになっちまうな。そのくらい白石の実力は、チームのパワーバランスを左右するほどデカイ。」
「ですね。彼女さんに勝ってもらいたいですもんね。」
クスクスと意地悪な笑みを浮かべると、
「Secret」
マイクはこっそりと舌を出して微笑んだ。