「やっぱり女子は大成が圧勝か……。」
コートに出て試合終了後のスコアボードを見て大成女子が150点ゲームをしたのを見てキャプテン達三年は改めて大成の凄さを思いしるかのようながため息が出た。
「王子学院……」
もうすでに王子学院は、シュート練習やアップを始めていてその堂々たる存在感に新垣は、
「王子戦は白石と前原の動きがハマれば、きっとうちが勝つよ。ただーー」
「昨日の練習も朝練もまるでハマらなかったわね…。」
唯一の仕上がりの悪さがそこなんだと野村監督も頭を悩ませるも、
「大丈夫。私達が引退したら、このチームを引っ張っていくのは、間違いなくあの二人よ。…前原もきっとそれを分かってくれてると私は信じてる。」
なんの根拠もないけれど、一人強い眼差しで仲間を信じる鈴木だけはそう微笑んだ。
「お、出てきたな。女子も」
「なんだ白石のやつ。ちっともウォームアップしてないじゃんか。大丈夫か?アイツ。」
「古巣相手だから緊張してんじゃね?」
明徳のギャラリーでは男子部員達が、遅れてやってきた未茉を見て首を傾げてる。
「そっか。白石って本当なら、王子に入学してたのか。女子だって全然名門で白石の実力なら絶対王子に行くべきだったよな。」
ふと気になった二年の男子が尋ねると、
「ああ・・・。進学試験に三回も落ちたらしいです。」
三上が苦笑いで答えると、
「「三回・・・!!?」」
一同も驚き言葉を失う。
「なんか、凄い集中してるな未茉ちゃん。」
そんなざわめきもなんのその、翔真は一人いつもと違う未茉の様子を見つめていた。



