未茉の自分より背も高くスタミナもある相手に対し、どんなに激しくマークされようともお構いなしに、パスを貰いキャッチと同時にどこからでもすぐリングに向かって打つ。
そしてそれが面白い程、気持ちいい程に入る。
「タフショット…あんなに簡単に…」
「二年のディフェンスだって相当いいぜ…だがそれ上回るな。アイツのシュートは!!」
度肝を抜いたがーーこのままでは終わらず、そして二点、三点……と、点を量産していく。
「二年が押されてる…」
三年女子達も絶句しながら試合から目を離せない。
「超ムカつく……マジあんな簡単に抜かれるなんて」
「白石以外は痛くも痒くもない。アイツに打たせなきゃ勝つ。」
「絶対に潰す。」
二年唯一のレギュラーの前原が呟きその言葉に一同静かに頷いた。
未茉はゴール下では二年のファウル覚悟でピッタリと二人に激しいマークにあった。
しかも自分よりも10cmも高い二人だ。
「ありゃキツいな…」
「そんなにやわじゃないよ。未茉ちゃんは。」
弱気な結城の言葉にも翔真は余裕で見ている。
ーードンッ!!と試合さながらに激しく体をぶつけられるも、笛は吹かれない。
それならば…と言わんばかりに味方のスクリーンとディフェンスのズレをうまく使ってシュートを打つ。
「「うまいっ…!!」」
彼女のテクニックに見るものには感嘆のため息が漏れた。



