「翔真って優しいし基本受け身だし。」

「受け身?そんなことないよ。うーん。やっぱあんま分かんない?」

「分かるよ。同じ気持ちになれないというもどかしさでしょ?」
「!…ん。」
(そっか。散々告白されてるからそういう気持ちは理解できるのか。前もそんな話屋上でしてたしなぁ。)
子供扱いしてしまい悪かったと思い、うまく話せるか分からないが本音を伝えようと思った。


「自分が辛かったり苦しかったりするのはいいけど、相手が自分を想って辛いとか苦しいにうまく答えられない自分が嫌なんだ。」

「へぇ、やっぱ優しいな翔真。相手が幸せじゃなきゃ嫌みたいなさぁ。あたしはそんな基準で男と付き合ったりしないだろうな。」
「ん?」
「いやこの先も予定はないけど、万が一仮に付き合うとしたら絶対自分が幸せになるかどうかだもん。」
「いやいや俺だってそうだよ。そんなボランティア精神ないよ。」
「そうかなぁ?」

掴まれたまま離されない手に気づき、翔真のその手を見て未茉は思った。

「あたしは多分目の前とかで翔真が他の女といちゃついてんの見るの嫌だ。」

「……!」
(うーん。それはどういう意味で言ってるのかな…)
真に受けたら嬉しい、が…。

「とりあえず変な女と付き合わないでほしい。椎名さんみたいな裏表激しい子とか。まぁ最近前より友好的にはなったけど。あーゆー面倒なタイプは無理!!あたし受け入れられないもんっ!」

「……」
(ああ、そうかやはり、また俺これは遠回しに振られてるんだな・・・)