「うわぁぁぁああっ!!」
「いけぇーー!!!」
電車で一時間かけて会場に着くとブロック決勝戦だからか客席も見たことないくらいに満員でギャラリーには立ち見が出るほどで、物凄い声援と熱気で会場は包まれていた。
「なになになんだこの人だかりは……」
ギャラリーの通路も通る度に人の体にぶつかるもなんとか潜り込むように間をすり抜けて少しでも前に出てくと、
「あっ!!BIG3出てるじゃん!!」
ラスト4Qがちょうど始まった所だった。未茉が得点板に目をやると80対73でリードし、中々のハイスコアだった。
「やったぁああ!!勝ってるじゃんっ!!!」
‘よかったぁ~’とホッと胸を撫で下ろすとピーーッ!と笛の声が聞こえファウルを取られたようだ。
「ゲッ!!しかも3ショット…入ったら四点差になっちゃうじゃん。何やってんだよっーバカっ!!!」
イライラしながら気づくと一番前まで出て手すりに掴まって「外せぇーー!!」と大きな声で叫ぶと、
「ん?」
さっきまでの声援はどこへやら。元々人並外れたその大声は会場中に響き渡ってしまい周りからはジロジロと視線が突き刺さる。
「あ、未茉ちゃんだ。」
フリースローのリバウンドを待ちの翔真がすぐにその声に気づき、見上げた。