明徳の男バスは去年四回戦で敗退を期したのがまるで嘘かのように勝ち進み、今日男子は女子よりも一日早くCブロック決勝戦を迎える。

相手は去年東京ベスト4進出の東並高校だった。

(これに勝てばベスト4だな…。明徳高校始まって以来の……だよな?やべぇ超緊張してきた。)
胸を叩き割りそうなくらいの心臓の鼓動が痛く気持ち悪くなりながら未茉は授業を受けていた。

(頑張れBIG3!頑張れ!!頑張れ!!)
三人の無人の机を見ながら未茉は祈るように手を合わせると、
「む、白石の祈り…」
背後からの念を感じたのか、キタローまで祈り始める。

「うわっ!!なっなっんだぁ!?」
教壇の真ん前の席で急に祈祷を唱えるキタローにひびりだす新米斎藤とクラスメイト達。
「う・・急に寒気が・・」
「なんだなんだ…」


今日は午前中からの試合の為、三人は学校には来なくて直接会場に行ってるから声もかけられなかった未茉には気がかりなことがあった。

‘去年に当たって四回戦で敗退したんだよ。’
ちょっと弱気な結城の声が蘇る。

(10時か……もうすぐで始まるな。お昼の放送の時に結果を言うってたけど。あーー!!それまでこのまま待つなんて気になる!!!)


「で、次の問いを白石。」

「うーん……」
「お、珍しく考えこんでるな、で答えはなんだ?」
新米斎藤に問題を当てられるも未茉は唸って考えこんでる。
「おい白石!白石!!!」

「やっぱ行くっきゃねぇ!!!!」

「「はっ!?」」
唸るのを止めて未茉は立ち上がりみんなが驚くのを振り切り教室を出ていった。

「こぉらっ!!白石っ!!授業中だろーが!!」
「新米ごめん!!部活までには絶対戻るっ!!!」

「あ・・・?誰が新米だ・・・。俺だって可愛い先生との出会いがあるかもしれないと思うと行きたい気持ちをおさえているのに」ぶつぶつ

「先生~うるさいでぇーす」
生徒達が突っ込む中、キタローの周りの席では祈祷により寒気が増してく・・・。