会館に戻り急いで着替えて待ちくたびれてた健のとこに戻ると寄ってくる女の子達に困りながらも一人で待ってた。

「あれ、匠兄は?」
「先に帰ったよ。」
「え?そうなの?」

(お前と帰った方が喜ぶだろって寂しそうに言いながらな。)

「腹減ってない?なんか軽く食ってくか?」
「食べるー!わぁーい♡♡」
両手をあげて喜んで抱きつくと可愛い妹を見るように健が微笑んで‘よしよし’と撫でる。

「星河さんが女の子と一緒なんて…!!」
「なんなのあの子ー!!」
ざわざわと女の子達からの鋭い視線をさすがに未茉も感じた。

「相変わらずモテるなぁ。もー」
「お互い様だろ。」
駅までの大通りに面したオープンカフェテリアに入ると、メニューに目をやるも次々に女の子の視線をさらってく健を見て未茉は膨れる。

「健兄のカッコ良さはあたしが昔から一番知ってるのになぁ今じゃ全国スタープレーヤーかよ。あ、パフェうまそっ」
「いいから何でも食え」
「わぁーい!」

「でも俺も未茉に彼氏ができたら嫌だなぁ~。匠以外のね。」
肘ついてニコッと未茉を試すように意味深な笑みを浮かべる。

「また彼氏できたら話かよー。もういーよーそういうのー。」
うんざりといった感じで未茉はたっぷりとミルクを入れたアイスティーをぐるぐると泡立つ程ストローで回す。

「なんだ湊を好きってわけじゃないんだな。」
「なんでまた湊だよ。」
「湊好きだろ?お前のこと。」
「あ?あたし学校でつるんでるの翔真とか男バス連中だからさ。中でもアイツは誰にも優しいし女だから色々心配してくれてるだけだぜ。」

「ぶっ!あはは!!相変わらず激ニブだな。まーそこが可愛いっていうか安心するっていうか。」
一つしか変わんないのに全てお見通しのような顔して大人っぶって笑う健に未茉はムッとする。
「もう!そうやっていつもからかうんだからよ!!」