「よし、じゃ女子も試合するか。」

野村監督が女バスのコートに戻ってくると、パイプ椅子に腰かけると、
「ノムさんノムさん!!はいはいはぁーい!!白石試合出たい出たい!!!」
元気一杯に未茉は手をあげて、名乗り出ると、
「分かった分かった・・・。じゃせっかくだから女子は一年対二年にしようか。」

「さてっ!!いっちょかましたるぜっ!!」
生き生きとしながら未茉はビブスを着て、手足のストレッチを始める。

一年のメンバーは未茉を含む中学校でのバスケ経験者五名を野村が選び、二年はレギュラーの前原とレギュラー争いに一番近い四人をスタメンに選んだ。

「…実は、私悔しくて昨日白石の全中の決勝戦の試合ネットで見て…」
キャプテンの鈴木が野村監督の隣に腰かけて言った。
「どうだった?」

「レベルがーー違いすぎます。」


…ダムダム…
アップを始める未茉をBIG3は見つめていると、

「練習の時から思ってたけど、アイツすっげー柔らかいタッチでドリブル着くよな。普段のあのガサツさと大違い。」
手にボールが吸い付いてるようなしなやかな体の動きに思わず結城が呟く。

「緊張とかしないのかな?」
自分は三年とのプレーに少し緊張していた三上も、
「楽しんでるよ多分。」
まるでお見通しかのように翔真はそう笑う。
「え?」
「心配しなくても圧勝するよ。」