「よくやった!!上出来だ!!これで東京ベスト16だ!!!」

「白石!!本当お前凄いぞ!!」
試合終了後のコートでは野村監督やキャプテンや三年達がこぞって嬉しそうに未茉の背中を叩きに集まり囲って、取材陣のカメラも一斉に明徳に向けられる。


「凄いな…まさか明徳が圧勝するとは…」
「てっきりCブロックは野中工業と王子が対戦すると思ってたからな。」
「あのエースが王子相手にどこまでやるか見物だな…」
番狂わせだといわんばかりのCブロックの準決勝に会場はざわついていた。


「しかし才能があるのは認めるが白石はなんであんなフィジカル強いんだ……?」
何戦か未茉の試合を見たり対戦したこともあるマイクがしみじみと疑問に思った。

「ただのスコアラーじゃない、あの体格で自分よりも大きい相手に当たり負けしないっていうのがまた点取りができる大きなポイントだろ…」
不思議な強さの秘訣をマイクは冷静に分析してると、星河健は勝ち誇った笑みを浮かべその理由を教えてやろうと口を開いた。


「まだ日本のバスケが注目されないバスケ界で初めてと言ってもいいであろうアメリカが日本の選手を注目したのが、未茉の父親の白石清二さんだ。」

「OH!あの日本人初のNBAプレーヤーの!?…サラブレットだったのか。翔真は知ってたか?」

「未茉ちゃんからは何も聞いてないけど、家に行った時に賞状とかトロフィー飾られてたからやっぱりそうなのかなぁって。」

「そして我が王子学院の誇り。未茉の兄貴の白石颯希は東京MVP三年間取り続け、全国優勝という快挙を成し遂げたんだ。」

「大学でもインカレで優勝してバスケ界では有名だよな。…まさかあんな凄い人があのうるさい白石が妹なんて思いもしなかったが・・・。」
雑誌越しでしか見たことないが品の良さを感じる颯希と似ても似つかないようで苦笑いを浮かべる。