TIPOFF!! #LOVE SPRING





(勝つ為の手段など選んでいたら、東京王者にはなれねぇ!!)
「打たせるかバカ野郎!!」
強い意地と共に榎本は、リングに向かいシュートしようとジャンプする未茉を背後から勢いよくボールへと飛びかかるように見えたが、

「「し…白石っ!!危ないっーー!!」」

監督もキタローも明徳ベンチも、体格の違いに潰れ落ちるんじゃないかと身を乗り出し叫ぶも、

「「!!?」」
ブロックに来る手をひらりと交わし、
「え…ポストプレー!?」
「あの二十センチ近くある体格差でゴール下で勝負するつもりかよ白石!!」


「まーそれが天才だからな。」
健はクスと外野の叫びを鼻で笑った。


「なっ…なめんなよ!!このチビ!!ぶっ潰してやる!!」
ゴール下でこの東京センタートップ5と勝負に挑もうとする未茉に声を張り上げると、


ゴールと榎本を背面に抱えながらドリブルステップで微妙なズレを作っていき、榎本の意識を大きくロールターンの先に向けると、
「!?」
揺さぶりをかけた後、サイドにターンをすばやくして細かな視線フェイクを入れ、シュートフェイクを入れ、

「何!!?」

まんまとひっかかり、ブロックにかかってきた懐をすっと消えるように掻い潜りシュートをバランスを崩しながら決めると、

ピーッ!!
「「またバスケットカウントだぁぁあ!!」」

「誘い方上手すぎ…っーか…あの体格差でゴール下で他のディフェンス達も交わすなんて白石凄すぎ!!」
「いや、ちゃんと白石を信じてた水上さんや新垣さん達の動きもよかった!!」
明徳ベンチではチームの一体感と、未茉の衝撃的プレーに更に興奮する。


「くそぉぉっ…!!」
あんな小さい相手、一年にまんまとやられ、かつてない屈辱に苛まれた榎本は、
「負けてたまるかぁぁあ!!!もう一本もうたせねぇぞぉおお!!!」
理性崩壊し、走り出す。


「榎本三つ目だな。白石には敵わない。正直相手になろうと自棄にやれば余計にやられ返され、ファウルがかさむだけさ。」

野村監督もこの勝負に手応えを感じたのか、頷いた。