ーーダンッ!!

隣の男バスのコートでは、一ニ年対三年の試合が繰り広げられていた。
体育館には飛び交う激しいボールと行き交うバッシュの音が鳴り響き、
「おおっすげー!!」
未茉は仕切りネット越しに覗いて声をあげていた。

三年の体を張ったゴール下を意図も簡単に交わして、鮮烈なダンクシュートを翔真、結城と三上のBIG3達が決めていた。

「すっげ…!!」
「翔真の奴…一体何点決めれば気がすむんだよ…」

やられっぱなしの三年はついてくので必死で足が重くなっている。

(翔真の奴、まだまだ余裕じゃん。ありゃ。)
まるで相手になってないと未茉にはその余裕あるプレーを見抜いていた。

「神の子って呼ばれていたらしい。」
キタローが、未茉の隣にやって来て翔真のあだ名を教えた。
「神の子ぉ?!」
「練習しなくてもなんでも器用にすぐできちゃうからって中学時代につけられてたらしい。ネットで調べた。」
「ああ~なんかアイツ神様見てぇに優しいしな。」
「そういう意味ではないと思うが…」
天然過ぎる返しに返答に困りキタローは苦い顔をする。

「しっかし、結城も三上もうめぇじゃん。あの二人がガンガンリバウンド取ってシュート決めてるし、結城はすげーブロック高いし、三上のゴール下での冷静な判断もうまいな。」
BIG3の息の合った連携プレーに未茉は唸ると、

「アイツら、絶対に同じ高校で一緒にバスケやるって決めて入学したらしい。」
「へぇ~熱い奴らなんだな。」
初耳の未茉はクッと笑いながら試合を見守った。
「二、三年も高さもパワーもあるし、BIG3を起点に男子いいチームになりそうだな。」
少しワクワクと胸を弾ませながら。


男バスの試合は、一、二年チームが圧勝した。
54点中、35点も翔真が一人で決めていた。