「「王子のスター兄弟だぁ…!!!」」
城山商業の応援席の女の子達を初め、二人が揃って歩き出すとギャラリーはこぞって女の悲鳴声に変わりだす。
中学時代には全国優勝し、双子で高身長、息のあったプレーを魅せる二人は、名前からかスター兄弟と全国に名を馳せている。
そして何よりもアイドル顔負けの容姿だった。
少し冷たそうに見られがちな切れ長の二重だが、鼻筋の通った9頭身の小顔に、日本人離れした手足の長さに女子の憧れの逞しい筋肉二の腕。
常にチームを引っ張るキリッとした表情を魅せるも、真面目で優しく紳士的で、時たま魅せるくしゃっとした笑顔が女子の心を虜にし、全国各地に熱狂的ファンがいて、ファンサイト運営や写真集なども発売されている。
スター兄弟は名門王子学院バスケ部の条例の初の一年レギュラー組で唯一、ボーズを間逃れた伝説の双子でもあった。
毎年文化祭で行われる王子様コンテストでは、健は歴代最高投票を獲得し、唯一一年で殿堂入りを果たし、生徒会が勝手に運営するインスタではすでに10万人のフォロワーを獲得して、プロ選手よりも有名な高校バスケットプレーヤーだ。
「凄いですね。星河さん」
コートに現れただけで、尋常じゃないカリスマ感が漂い、さすがの翔真も唸る。
「ああ。戦ってみろよ。会場が揺れるくらいのピンクの声のフリースローのブーイングは最悪だぜ?」
マイクは去年の東京予選の時の悪夢を思い出しながら語る。



