男女共に明徳は順調に三回戦もなんなく勝ち進めた。

そして女子は今日、四回戦ーー城山商業高校と対戦をする。
迎え撃つは対シード校、強豪王子学院大学高校だった。

女子Cブロック
明徳対城山商業

三回戦ともなると会場は初戦に比べてギャラリーの観客席の大半は埋まり出す。
中学生のバスケ部員達や、高校バスケが好きな一般ファンやトーナメントであたるであろう対戦校を見に来たりして観客達はこの一戦を心待にしていた。


「勝った方が王子学院とのCブロック決勝戦か…」
「明徳?聞いたことないな。城山が余裕で勝つだろ。」
「いや、三回戦の明徳見てたけど、彗星のごとく現れた凄いプレーヤーがいたよ。」
「名前は?」

「確か……白石だったかな。顔もすげー可愛い。」
「そこかよ。」


「……」
隣の観客の言葉を隣で聞いていたのは、次戦の相手を知るために訪れていた王子学院の女子バスケ部だった。

「やっぱり明徳は白石ね。」
王子学院の女子キャプテンの美山がそう部員達に言った。

「本来ならば白石はうちに入学して、大成の田島を倒して二年ぶりに東京代表として我が王子を全国に導く一年エースのはずだったのに…!!!!」
「あぁ…なんで馬鹿なの…なんで馬鹿なの白石よ…」
唇を噛みしめ涙ながらに言いたい放題の中学時代の未茉の元チームメイト王子学院のレギュラー部員達に、

「先輩・・言い過ぎです・・。」

ベンチ組の莉穂が気持ちは分かるけど。と苦笑いで突っ込む。