「湊君、元カノとチャラチャラしながら未茉に手を出すなんてどういう神経?」
「へ?チャラチャラ??」
「このインターハイ予選の大事な時期に元カノなんか連れ歩いて未茉を変な刺激して楽しんでる?それとも焼きもち妬かせて自分の気持ちを気づかせるとかいう駆け引きとかしてるの?」
「は・・・!?」
落ち着いた口調にも関わらず言葉の節々に見え隠れする嫌みが伝わるも、もちろん心あたりのない翔真はちんぷんかんぷんで目が点になる。
「今日みたいな未茉初めて見た。ボール持って震えちゃうなんて中学三年間一度もなかった。考えられることは、湊君とあの感じ悪い元カノ以外ありえない。今だってねわざわざ未茉に宣戦布告しに来たんだよ。」
「え…」
「‘翔真も全国の切符も渡さない’って。」
「うーん…。俺は未茉ちゃん以外の子を好きになったりもしないし、誰にも渡されたりもしないしなぁ。心配ご無用というか、残念ながら。」
困ったものの、のんびりと頷きながら答える翔真のゆるキャラにさすがの莉穂もひきつる。
「…未茉ももしかして自覚がないだけで湊君のこと好きなような気がしないでもないけど…」
本当は薄々気づいていた事実を認めたくもなかった口にすると、
「え!!そうなの?」
‘わーいやったぁ~’と思いもよらぬ言葉に翔真は目をキラキラと輝かせて両手をあげて喜ぶも、
「いや、分かんないけどね。」
からかうと面白いんだと一気に叩きのめす実はドSの莉穂。
「えー……」
ぬか喜びの翔真はがっくりと肩を落として、一瞬にして眉毛を下げる。
(意外と単純・・・。)
外見からは想像もつかない単純な一面もあるんだなと莉穂は思うも、咳払いして仕切り直す。
「残念だけど、未茉には健さんがいるから。」
「!」
「さっき見なかった?未茉は健さんの掛け声たった一つで不調をぶっ飛ばしたじゃん。」
「うん…」
「残念ながら、まだまだ湊君は健さんの足元にも及ばないよ。」



