(元カノか…。まさか元カノが湊君の周りをうろついてるから、未茉があんな絶不調を見せるとか…?)
冷静に莉穂はまさかの嫌な予感を察知するも、


「へぇー!!翔真の元カノ!?で、お名前は?」
だが、未茉はなんの顔色一つ変えずに聞き返す。

「桜蘭学園二年の前園ユリ。」
「前園さんか。」
‘宜しく!!’と二人は握手を交わし合うと、

「白石さんは、翔真のこと好きなんでしょ?」

「翔真?ああ!もちろん!すっげーいい奴だぜ!」
「やっぱり。ふーん。じゃ両思いかぁ。」
「??」

((多分、全然噛み合ってない・・))
莉穂と駿は苦笑いを浮かべて、ぽかんとしてる未茉に頭を抱える。


「……でもとっても残念ね。」
ユリはニコッと挑発するかのような笑顔を向けて、
「翔真も東京女子の全国への切符も私が貰ってく。あなたには絶対に渡さないから。」

「……!」
「恋もバスケも障害があった方が断然燃えるタチなの。じゃあね。」


「すっげぇドラマみたいな台詞……!!思わず何も言い返せなかった!!」
足取り軽く去ってくユリを見ながら、未茉は絶句していると、

「何あっけにとられてるの。いい?未茉は今、宣戦布告をされたんだよ?」
「おう。大丈夫だよ勝つから。」
‘ふぁっ~’とあくびしながら答えると莉穂はすかさず、
「どっちに?」
「あ??」



「未茉ちゃん!」

「あ、翔真。」
なんとも言えぬタイミングで未茉を探していた翔真が現れると、

「ちょうどいいとこに来た!!湊君ちょっと」
「東条さんどうしたのそんな顔し……」
言いかける間もなく凄い剣幕で隅へと引っ張られていく翔真。