かつて試合に出てこんなに点を決められなかったことなど一度もなかった未茉は自分でも苛立ちのため息をついた時、


「「未茉ー!!!頑張れぇぇええーー!!」」


会場に響いた聞き覚えのある声に顔をあげた。

(!!)

「莉穂…駿……!!!?」

(来てくれてたのか……)
ギャラリーから声を張りあげて二人が精一杯の声援を送ってくれてる声に気づくと、

「なにやってんだよ!!白石!!らしくねーぞ!!アホか!!」
「振り向き様のシュートはどうしたんだよ!?」
結城と三上が身を乗り出して大きな声援を送ってくれてる。

「あっついねー。」
‘ふん。’と一人離れて足を組みながら座り暑苦しい声援に呆れて肘ついてる桜蘭のエース。


「頑張れー!!」
「「頑張れーー白石!!」」
女子の中で誰が一番練習してきたのか、よく見ていた男子部員達は全員が立ち上がり未茉に声援を送る。

「なによ。男子達ってば。」
二年女子は面白くなさそうにギャラリーから応援を送る男子を睨む。

「頼むっ!!勝ってくれぇええ勝ってくれぇえ白石ぃ!!」
合コンでネタにしたく名実を手に入れたかった新米斎藤は、さっき撮影した写真がお蔵入りになってしまうぅぅと泣きながら拝み出す。

「目を覚ませ!!白石。お前は俺らのエースだぞ!!!」
iPadを投げ捨ててキタローは願いを込めたように珍しく声をあげる。
みんなの声援に足を止めた未茉を見ながら

‘届けーー!!’と願った。