ーーダンッ!!
シュートに行こうと踏み込むも簡単にブロックされてしまう。
「あっ……!」
逆に速攻を奪われて品川女子に点を許してしまう。


「白石!!なにやってんのよ!さっきから……!!」
「わりぃ…」
「まるで別人じゃない!しっかりしてよ!予選だよ!?」
新垣さんにもキャプテンにも怒鳴られるも分かってるのに体の動きが鈍かった。

(いつもの白石だと思ってアシストしても、とことん外されて、リバウンド取られて決められる。これじゃーー)
キャプテンは点数板と時間を見上げた。


残り5分ーー
明徳54対49品川女子


「よっしゃあっ!!うちの勝ちが見えてきたぞ!!勢いが乗ってきた!!」
点が決まり品川女子の監督がガッツポーズを決め選手達も乗り始めてきた。



「一体どうしたんだ…」

原因不明の自分の調子悪さに未茉自身も思わず首を傾げ、焦りからか足が動かなっていてみんなの心配の視線と声が向けられた。


「なんだ全中ナンバーワンプレーヤー、ピークが終わったのか?」
「だから無名高に行ったんですかね。よくある話っちゃありますよね。ピークは中学までって。」
記者達も首を傾げ、困惑気味にカメラを向ける手を止めた。

「やっぱり人間違いか…。全中MVPの白石未茉があんな下手なわけないもんな。」
どこかで見たことがあると言っていた観客達もため息を漏らしていた。


「白石は一体どうしたんだ!!?」
一気に流れの悪い空気に一変した野村監督はベンチから立ち上がると、交代していた前原も立ち上がり、

「私行きますよ。白石と代えて下さい。」

「しかし……」
「いいんですか?負けますよ。」
「うーん…」
野村は悩んでいた。白石を信じるか否やーー。